株を売却した時のための税金対策を考える

日本では株を売却すると、その利益に対して所得税、道府県民税、市町村民税、復興特別所得税の4つの税が課税されます。
現在、株の売却益に対して課税される税金の割合は20パーセントあまりとなっており、納税額はそれなりにまとまった額になります。
株取引で得たお金を多く手元に残しておきたいのであれば、株取引をする際にはいずれ売却をするときのために精勤対策をきちんと考えておかなければなりません。

株の売却益に対する課税方法は口座の種類によって異なっており、証券会社に特定口座を開設し、源泉徴収をありにした場合は、売却益が特定口座に入金されるときに源泉徴収が行われます。
この方法だと、損益通算や税額の計算などをすべて証券会社が行ってくれるのでとても便利ですが、精勤対策の面から考えると、源泉徴収されることを選んだとしても、ケースによってはあえて確定申告をした方が良い場合があります。

例えば、1年間に複数の日本株を売却したものの、トータルで赤字だった場合を考えます。
このとき、取引に利用した口座が源泉徴収ありの特定口座であれば源泉徴収される税額はありません。
このまま済ませてしまっても問題はありませんが、同じ年に配当金による収入をいくらか得ていたのであれば、課税方法を申告分離課税にすることで、株の売却損と配当金の損益通算をすることができるようになります。
さらに、損益通算しきれない場合は、翌年以降も確定申告をすると繰越控除が適用でき、さらなる精勤対策が可能になります。

このような精勤対策は、ETFやREIT、投資信託、公社債の利子など、株式や債券に該当する金融商品であればいろいろな組み合わせで行うことができます。
上記の例は株売却による損失を配当金で損益通算しましたが、逆に特定口座に振り込まれている株の売却益と投資信託などで出した損失を損益通算することもできます。
もし、所得計算の際に株の売却益で他の金融商品の取引で生じた損失を損益通算したいのであれば、源泉徴収なしを選択した上で特定口座を開設しておくと、証券会社が取引報告書を送付してくれるため、確定申告の作業量が少し軽減されるので便利です。

何にでも税金が掛かるので確定申告は必要

日本では、国内に居住している人に対しては、どこで所得が生じたかに関係なく、法律で非課税にすると明記されていない限り、すべての所得が課税対象となります。
株取引で得た損益だけでなく、競馬や競輪などのギャンブルで得た儲けも、自宅の土地や建物の売却によって生じた収入も、そこから経費などを差し引いて所得を算出し、その後税額を計算して1円でも所得税が生じるようであれば、確定申告を行う必要があります。

また、会社から受け取る給料や退職時に受け取る手当は、勤務先で源泉徴収が行なわれるため、確定申告は原則不要となっていますが、1年間の収入が2,000万円を超えていたり、給与所得および退職所得以外に20万円を超える所得があれば、源泉徴収の対象者であっても確定申告が必要となります。
例えば、会社勤めの人が趣味で株取引に興じている場合、その所得が20万円を超えていれば勿論、超えていなくても他から得た所得との合計が20万円を超えれば確定申告が必要です。
すべての所得が課税対象となっている以上、所得税の確定申告についても一部の人を除けばみな行なわなければなりません。
少しでもお金を多く残したいと考えている場合は、精勤対策は必須です。

税理士に代理人になってもらう場合を除き、確定申告の手続きは納税者自身が行うのが原則です。
自分自身で税務署に提出する申告書類を揃える作業はとても大変ですが、特例制度などを利用して税金対策をする場合、殆どの制度で確定申告が適用要件の一つとなっている以上は避けて通ることができません。
株を売却した場合も例外ではなく、損益通算や繰越控除などの特例を適用したい場合は、取引報告書などの書類を添付した上で税務署に確定申告書を提出しなければなりません。

所得税の確定申告ができるのは、2月16日から3月15日までの1ヶ月間です。
この期間内に申告できないと、その後納税をするときに無申告加算税などの附帯税も一緒に納めなければなりません。
余分な税を納めなくても良いように、確定申告と納税は期限を厳守しましょう。